教員採用試験 小論文対策
今回は個別最適な学びと協働的な学びについて、小論文の書き方をお伝えしていこうと思います。
小論文の基本的な書き方については、以下の記事を参考にしてください!
600字で答案を作ってますのでご承知おきください。
また、私は理科の教員なので実践は理科教育で書いています。
次のステップで解説していきます!
小論文対策 個別最適な学びと協働的な学びについて
今回のお題はこちらです。
なかなかの難易度です。
まずは自分で考えてから解説を読むようにしてください!
個別最適な学びとは
個別最適な学びとは何でしょうか?
文部科学省が出している「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実では次のように述べられています。
令和3年答申では以下のとおり、「個別最適な学び」について「指導の個別化」と「学習の個性化」に整理されており、児童生徒が自己調整しながら学習を進めていくことができるよう指導することの重要性が指摘されています。 [脚注1]
文部科学省 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化の充実
- 全ての子供に基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させ、思考力・判断力・表現力等や、自ら学習を調整しながら粘り強く学習に取り組む態度等を育成するためには、教師が支援の必要な子供により重点的な指導を行うことなどで効果的な指導を実現することや、子供一人一人の特性や学習進度、学習到達度等に応じ、指導方法・教材や学習時間等の柔軟な提供・設定を行うことなどの「指導の個別化」が必要である。
- 基礎的・基本的な知識・技能等や、言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力等を土台として、幼児期からの様々な場を通じての体験活動から得た子供の興味・関心・キャリア形成の方向性等に応じ、探究において課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現を行う等、教師が子供一人一人に応じた学習活動や学習課題に取り組む機会を提供することで、子供自身が学習が最適となるよう調整する「学習の個性化」も必要である。
つまり、生徒一人一人に合った学び方で学習をさせてくださいということなんです。
協働的な学びとは
協働的な学びとは何でしょうか?
文部科学省が出している「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実では次のように述べられています。
令和3年答申教育課程部会における審議のまとめでは「協働的な学び」について以下のとおり記載されています。 [脚注1]
- 探究的な学習や体験活動などを通じ、子供同士で、あるいは地域の方々をはじめ多様な他者と協働しながら、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、様々な社会的な変化を乗り越え、持続可能な社会の創り手となることができるよう、必要な資質・能力を育成する「協働的な学び」を充実することも重要である。
平成28年答申では、子供たち一人一人の豊かな学びの実現に向けた課題について以下のとおり記載されています。[脚注2]
文部科学省 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化の充実
- 学校は、今を生きる子供たちにとって、未来の社会に向けた準備段階としての場であると同時に、現実の社会との関わりの中で、毎日の生活を築き上げていく場でもある。学校そのものが、子供たちや教職員、保護者、地域の人々などから構成される一つの社会でもあり、子供たちは、こうした学校も含めた社会の中で、生まれ育った環境にかかわらず、また、障害の有無に関わらず、様々な人と関わりながら学び、その学びを通じて、自分の存在が認められることや、自分の活動によって何かを変えたり、社会をよりよくしたりできることなどの実感を持つことができる。
- そうした実感は、子供たちにとって、自分の活動が身近な地域や社会生活に影響を与えるという認識につながり、これを積み重ねていくことにより、主体的に学びに向かい、学んだことを人生や社会づくりに生かしていこうという意識や積極性につながっていく。
- こうした学校での学びの質を高め、豊かなものとしていくことにより、子供たちは、学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解したり、これからの時代に求められる資質・能力を身に付けたり、生涯にわたって能動的に学び続けたりすることができるようになる。全ての子供は、学ぶことを通じて、未来に向けて成長しようとする潜在的な力を持っている。
一人で悩むのではなく、他者と協力して課題を解決していきましょう!ということです。
なぜ個別最適な学びと協働的な学びが重要視されているのか
文部科学省が出している「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実では次のように述べられています。
平成28年答申では2030年の社会と子供たちの未来について、以下のように記載されています。[脚注1]
- 社会の変化は加速度を増し、複雑で予測困難となってきており、しかもそうした変化が、どのような職業や人生を選択するかにかかわらず、全ての子供たちの生き方に影響するものとなっている。社会の変化にいかに対処していくかという受け身の観点に立つのであれば、難しい時代になると考えられるかもしれない。
- しかし、このような時代だからこそ、子供たちは、変化を前向きに受け止め、私たちの社会や人生、生活を、人間ならではの感性を働かせてより豊かなものにしたり、現在では思いもつかない新しい未来の姿を構想し実現したりしていくことができる。
この答申を受けて改訂された学習指導要領では前文が設けられ、育成を目指す児童生徒の姿について、以下のとおり記載しています。
文部科学省 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化の充実
これからの学校には、(略)一人一人の児童(生徒)が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる。このために必要な教育の在り方を具体化するのが、各学校において教育の内容等を組織的かつ計画的に組み立てた教育課程である。
教育課程を通して、これからの時代に求められる教育を実現していくためには、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら、社会との連携及び協働によりその実現を図っていくという、社会に開かれた教育課程の実現が重要となる。
2030年を見据えたときに、今のような学習形態では生徒に生きる力を育成できないと考えているんですね。
それはなぜか、これからの社会が予測困難な社会になっているからです。
予測困難な社会では、答えのある問題に直面することは少ないです。
答えのない問題に対して、何とか仲間と一緒に答えを出していけるようにしなければいけません。
そういった経験を学校教育の中で身につけさせる必要があります。
生徒が自分自身の良さに気付き、また他者の個性を強みや良さと捉え、共に協力していくことの重要性を訴えています。
個別最適な学びと協働的な学びの一体化の充実について
個別最適な学びと協働的な学びは独立したものではいけません。
お互いに関わり合っているものです。
生徒が個別で考え、それをグループで共有する。
グループでまとまった考えを持ち帰って個別に吟味する。
このようにお互いに還元していく流れが重要です。
また、個別最適な学びと言っていますが、学び方は生徒それぞれなので、何人かで相談しながら学びを進めることも個別最適な学びと言っても良いでしょう。
文部科学省が出している「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実では次のように述べられています。
令和3年答申では、目指すべき新しい時代の学校教育の姿として「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」が提言されました。 [脚注1]
新たに学校教育における基盤的なツールとなるICTを活用することで、これまでにない量・質のデータを収集・蓄積・分析・活用し、個々の特性等にあった多様な方法で児童生徒が学習を進めることができる可能性が高まります。また、時間的・空間的制約を超えて音声・画像・データ等を蓄積・送受信し、今までにない方法で、多様な人たちと協働しながら学習を行うことができる可能性が高まります。同時に、AI技術が高度に発達するSociety 5.0時代にこそ、様々な場面でリアルな体験を通じて学ぶことの重要性もより一層高まります。
学習指導要領では学校教育を通じて児童生徒が「何ができるようになるか」という各教科等において育成を目指す資質・能力を「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱に整理しています。 [脚注2]
未来の社会を見据え、児童生徒の資質・能力を育成するに当たっては、このような学習指導要領の趣旨を踏まえ、「個別最適な学び」と「協働的な学び」という観点から学習活動の充実の方向性を改めて捉え直し、これまで培われてきた工夫とともに、ICTの新たな可能性を指導に生かすことで、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善につなげていくことが重要と考えられます。
文部科学省 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化の充実
最後の方にICTの活用についても書かれていますね。
文科省が出している「次期教育振興基本計画について(答申)」も参考になります。
そうは言っても膨大な数の答申や教育時事をすべてチェックするのって時間的にも難しくないですか?
出題の可能性が高い「課題」について効率よくチェックできたら、他の勉強にも時間を使うことができて効率的ですよね!
最近の流行とそれに関わる答申などがまとめてチェックできる参考書があったら良いと思いませんか?
参考書もたくさんありますが、私自身も愛用していた参考書はこちらをチェック!
小論文対策 合格答案作成のポイント
初めに、何を書くべきなのかを整理しましょう!
ココでつまずくと小論文全体が台無しです。
以下の3つを意識できると良いでしょう!
①これからの教育において、個別最適な学びと協働的な学びが重要視されていることについてのあなた自身の考え
②①のように考えた理由
③あなた自身の考えに基づいてどのように実践していくのか
小論文対策 合格答案例
今回の課題については次のように書くことができれば合格点であると思います!
今回は講師の目線で書いてみました!
もちろん、この答案も改善すべきところはたくさんあると思いますので、参考程度に見てください!
個別最適な学びと協働的な学びをICTを用いて実現させようとしている点がポイントです!
今回は文科省の通知を参考に書きましたが、想定している自治体の教育指針も参考にしています。
どの部分かというと、課題に対して最初に一人で取り組ませている点です。
この自治体では
課題の提示→個別学習→グループでの学び→全体共有→個別でまとめ
という流れを重要視しています。
個別最適な学びは、本来は一人で学習することを指すわけではないのですが、上記の理由から個別学習する書き方をしています。
このように受験自治体の教育指針も必ず参考にしてください!
また、今回は600字ですが、800字の場合は以下のようにするといいと思います。
パターン1:中盤の実践をより詳しく書く。
パターン2:中盤の実践を1つから2つに増やす。
2パターン考えましたが、結局は実践を詳しくすることになります。
字数が400字でも1200字でも基本的な内容は変わりません。
詳しく書くのか簡易的に書くのかの違いです。
各自治体の字数に合わせて練習しましょう!
教員採用試験小論文対策 まとめ
今回の課題は個別最適な学びと協働的な学びについてでした。
何となく理解はされていると思いますが、文科省の通知などはしっかりとチェックしておきましょう!
参考書もたくさんありますが、私自身も愛用していた参考書はこちらをチェック!
今回は以上です。
よかったら、以下の記事でも練習してみてください!
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